災害時のビジネス用連絡手段として 「IP無線機の活用」をおすすめする理由

2011年の東日本大震災の際、家族や友人への安否確認手段として携帯電話(スマートフォンを含む)での通話ができなかった、という方は非常に多いのではないでしょうか。当然、企業間(本社から支社や営業所、取引先、等)の通話、通信が利用できない状況も発生しており、災害において「72時間の壁」とも言われる時間帯に、携帯電話といった情報通信サービスが利用できない場合でも、通信を確保する代替手段を準備することはビジネス上においては必要不可欠となっています。そこで、新たな通信手段として「IP無線機」の活用をおすすめさせていただきます。

目次

  1. 災害時の携帯電話の音声ネットワークは7割~9割以上通信規制されてしまう
  2. パケットネットワークの規制は0~3割だけであった
  3. パケットネットワークとは
  4. IP無線はパケットネットワークを利用した「新しい無線機」
  5. その他のIP無線のメリット
  6. 初期費用を抑えながらご利用いただける方法をご提案します

1)災害時の携帯電話の音声ネットワークは7割~9割以上通信規制されてしまう

震災時等に通常の通話回線(音声ネットワーク)が制限される割合はどの程度なのでしょうか?2011年の震災直後を例にとると、携帯電話大手キャリア3社の通信規制はなんと約70~95%となっていたのです。つまり規制されていない5~30%しか使用することはできなかったということで、これでは一般の人が通話することはほぼ不可能となります。

ちなみに、大手3社の音声ネットワークの規制内訳を見てみると・・・

  • ドコモ:約90%を規制
  • au:約95%を規制
  • ソフトバンク:約70%を規制

・・・となり、特にドコモとauユーザーには厳しい状況となっていました。

2)パケットネットワークの規制は0~3割だけであった

それに対し、メールやSNSなどのデータ通信を行う「パケットネットワーク」は、ほぼ規制がかかりませんでした。

大手3社のパケットネットワークの規制内訳は・・・

  • ドコモ:約30%を規制
  • au:約0%(規制はほぼ無し)
  • ソフトバンク:約0%(規制はほぼ無し)

これを見ると、ドコモ以外はほぼ規制はかからなかったという事が確認できます。

●携帯電話大手3社の通信規制

音声ネットワーク:70~95%の規制

パケットネットワーク:0~30%の規制

通信集中による輻輳のグラフ
※総務省「防災非常時通信セミナー資料」より

3)パケットネットワークとは

ここで、パケットネットワークの仕組みを簡単に説明します。パケットとは英語で「小包」とか「小さな束」という意味です。パケットネットワークとは文字や画像の情報(データ)を細かく分けてやり取りする仕組みのため、個々のデータ(パケット)を送る時間が短くて済みます。つまり通信の回線を長時間にわたって占有する必要がない為、よりスムーズなやり取りが可能となります。

4)IP無線はパケットネットワークを利用した「新しい無線機」

IP無線は「通話」という音声データをパケットでやり取りできるため、常に回線を占有してしまう通常の音声ネットワークにくらべ混雑しにくいため規制がかかりにくいのです。しかも今までの無線機のように近距離での使用に限られることなく、ほぼ全国への通話が可能となっています。

5)その他のIP無線のメリット

というわけで、パケット通信を使用したIP無線は、通常のネットワークが混雑したり規制がかかってもスムーズに会話ができるというメリットがあり、携帯電話などが使えない状況でもタイムリーな情報を取得しなければならないビジネスシーンでは活躍が期待できる通信手段となります。

また常に充電器に差し込まれた状態であれば、突然の停電が起きても固定電話のように通話ができない状態にはならず、ほぼ1日電気が無くても使用することが可能です。

そして無線機のメリットである「登録機種への一斉呼び出し」で全支店に同時に話し掛けたり、特定のエリアの支店間だけで会話する「グループ通話」を行うことも可能なので、まさに災害直後に活躍が期待できる通信手段だといえます。

6)初期費用を抑えながらご利用いただける方法を提案します

しかしながら支店がいくつもある場合、初回の購入費用は高額になる可能性があります。当社ではそれらの高額な初期投資を抑えるために月払い可能な「レンタルシステム」も採用しております。またメンテナンスフリーの保守契約もございますので、通常使用時の故障や電池パックの消耗時にも迅速に対応できます。

非常時に対するBCP作成の重要性が指摘されているからこそ通信を確保する代替手段を準備することはビジネス上においては必要不可欠となっています。災害に強い新たな情報通信手段として「IP無線機」の活用をおすすめさせていただきます。ご相談や御見積は無料です。ご興味がありましたら、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。

担当:降矢()