保存水の備蓄量は1日3L
一般的に、災害に備えるための保存水の備蓄量は「大人で1日3L、3日間で9Lを目安」と言われています。弊社でも商品の紹介やお客様への資料で、この備蓄量をご説明するのですが、そもそも「1日3L」という根拠はどこにあるのでしょうか。
飲料水の備蓄として1日3L
わたしたち、防災用品を取り扱いしている業者では、行政や官公庁など公的機関の指針を基準に、お客様へご説明をすることがあります。
たとえば、『内閣府:大規模地震の発生に伴う帰宅困難者対策のガイドライン(PDF)』のP.23では、“水については、1人当たり1日3リットル、計9リットル”
と記載されています。
ほかにも、『東京消防庁:自身に対する10の備え』では、“飲料水(ポリ容器などに)※1人1日3L目安”
となっており、公的機関の指針として「1人1日3L、3日間で9L」というのが広く共有されていることが分かります。
1日に必要な水分量
しかし、1日に3Lのお水の摂取はなかなか多いように思われます。
そこで、1日のうちどれくらい人体に水分が必要で、どれくらい水分が排出されているかを調べると、『厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動』では、成人男性が比較的安静にしていた時、1日あたり2.5Lの水分を摂取(および排出)が必要と記されています。また、内訳として食事で1.0L、体内で生成される水が0.3L、飲み水で1.2Lとなっています。
ただしこれは比較的安静にしていた時の必要量です。たとえば災害時に救護活動や避難施設の運営および補助などにあたっていた場合は、運動している状態と同等に考えられます。そういった場合は必要な水の量はもっと多く考えておいた方がいいかもしれません。
また、非常食の定番であるアルファ化米は、水やお湯を注いで調理するための食べ物です。メーカーや味の種類によって必要な水分量は異なりますが、1食あたりおおよそ160~200mlが必要となります。仮に1日3食をアルファ化米とした場合、約480~600mlの水が必要です。
したがって、1日に必要な水分2.5Lに余裕を持たせた量、つまり3Lが1日あたりの備蓄量の目安となるわけです。